No.81 (宗教改革A)  : 

「カルヴァンが中産市民に支持された理由とは何か?」

フランス出身のカルヴァンは、『キリスト教綱要』を著し、魂の救いは神が予め決
定しているとする「予定説」、すべての職業は天職であるとする職業神授説で、
禁欲と勤労を奨励し、蓄財や営利活動を肯定して、商工業の経営者である中産
市民の支持を得た。彼は後に亡命先のスイスの都市ジュネーヴに招かれて、宗
教色の強い政治を行った。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
ルターと比べて、さらに過激なキリスト教原理主義と言えるカルヴァンの教えにつ
いて、高い関心を持って意欲的に学ぼうとしている。

思考・判断:
ルターになくてカルヴァンにある予定説の考え方が、職業神授説と結びついて、
近代的市民の中核となる産業資本家の精神性を形成していくことを、的確に判断
している。

資料活用の技能・表現:
マックス=ヴェーバーの主著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の
抜粋を、資料として読むことにより、カルヴァンの教えと資本主義経済の結びつき
について理解を深めている。

知識・理解:
蓄財や営利活動の奨励に見られるカルヴァン派の教えが、資本主義経済の精神
的基盤となったことについて、その意義を理解するとともに、基本的な知識を身に
つけている。